NHKスペシャル「見えない貧困」

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昨夜NHK総合TVで午後9:00からNHKスペシャル「見えない貧困」 の放送がありました。

ご覧になった方も多いかと思います。大阪や東京の自治体で行われた大規模調査の結果をもとに現代の「相対的貧困」の実態をルポしたものです。特に子どもへの取材・インタビューを丹念に行い、子どもたちが貧困によって剥奪されているものを示す「剥奪指数」という指数の観点は、新しい切り口で、とてもわかりやすいものでした。「家族旅行に行ったことがない」「誕生日やクリスマスを祝えない」「新しい服を買えない」「修学旅行や学校行事に参加できない」「海水浴に行ったことがない」「スポーツクラブや習い事に行けない」「塾に通えない」「本を買ってもらったことがない」などなど、子どもらしい体験が奪われていること、それらの合計数で「剥奪指数」というものを提示していました。
高校生のアルバイトが、子どもたちの遊びや習い事などのためでなく、家計の補填になっており、子どもが家計の支え手になっている現状では、大学進学がとても困難になっている子どもたちがますます増えていくでしょう。
番組の中で大田区の石川副参事の言葉「もはや自助努力の限界」にふかく同意します。地域社会の助け合いももちろん必要ですが、それ以上に国の大胆な施策が必要とされています。この見えない貧困をこのまま放置することによる社会的損失は42兆円以上と計算していましたが、この状態がずっと継続して行けば、その程度の損失ではとてもすまないことになるでしょう。
髙橋みなみさんの、制服が買えなくてリサイクルやで、サイズが合わない制服を購入したこと、ネームの刺繡が別人の苗字なので、それを見られないように気を付けていたこと、早くお金を稼ぎたいと思っていたことなど、経験者の本音の言葉も胸を打ちます。

再放送は 2月15日(水) 0:40~1:29 (14日深夜)です。ぜひご覧になってください。